化学薬品漏えい時の二次被害
製造現場では、製品の原材料としてだけでなく、製造過程の特定の処理や製品試験、衛生対策などで多くの化学薬品が使用されています。
硝酸(HNO₃)、塩酸(HCl)、硫酸(H₂SO₄)といった化学薬品は製造工程で頻繁に使用されますが設備に錆を引き起こす強い腐食性があります。そのため万一漏えいした場合には、速やかに化学的特性を踏まえた適切な無害化(中和処理)が不可欠です。硝酸(HNO₃)や塩酸(HCl)は常温でも揮発(ガス化)するため、揮発したガスが機械設備に付着することで、広範囲にわたる錆などの二次被害を引き起こすリスクがあります。
これを防ぐためには、影響範囲と影響度を正確に把握することが極めて重要で、ベルフォアのような災害復旧専門会社の活用が効果的です。
事例:工場内での硝酸漏えい事故
昨年、ベルフォアでは、某電機メーカー様の工場で発生した硝酸漏えい事故の復旧をご支援しました。お客様からのご連絡を受け、弊社の専門技術者が直ちに現場を訪問。到着時には危機管理マニュアルに基づき漏えいした硝酸の無害化・回収作業が既に実施されていました。しかし、弊社の専門技術者は、硝酸がガス化して広範囲に拡散している懸念を抱き、工場全域を対象とした残留調査の実施をご提案しました。
この残留調査では工場全域でクイックテスト※1を実施し汚染マップを作成。その結果、工場内の気流の影響で硝酸漏えい箇所から特定方向に硝酸イオンの残留が認められ、一部の機械装置にはすでに軽度の錆が発生していることが確認されました。
そこでベルフォアでは錆の進行を防止するため、弊社独自開発の化学薬剤を使用して徹底した中和作業を実施。作業後には再度クイックテストを実施して硝酸イオンが残留していないことを確認しました。
これによりお客様は安心して工場の操業を再開することが可能になりました。
※1 クイックテスト:ベルフォアが独自開発したテストキットで、汚染物質を測定するのもです。
化学薬品漏えいの「隠れたリスク」に、ベルフォアが備えます
消防庁の統計によると、日本では年間約480件もの危険物漏出事故が発生しているそうです※2。
平時からBCP(事業継続計画)に化学薬品漏えい時の対策を組み込むとともに、万一、工場等の施設内で化学薬品が漏えいした際には、速やかに消防署や危険物処理専門業者に連絡するとともに、ぜひ災害復旧のプロフェッショナルであるベルフォアにご連絡ください。
※2 消防庁危険物保安室「令和6年中の危険物に係る事故の概要」:https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/c42c3d6f3f64dbd74b408e38c97581393d877b81.pdf
注:弊社サービスは早期復旧を目的としたものです。保険での補償は保険会社の個別の判断となります。