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猛暑に潜む
火災リスク

(2025年8月号)

真夏に気をつけたい4つの火災原因と対策

8月に火災が増えるのはなぜ?
意外な原因とデータ

「火災は空気が乾燥する冬のイメージ」という方も多いかもしれませんが、消防庁の火災統計(2024年)によると、8月の出火件数は年間全体の8.8%を占め、3,241件もの火災が発生しています。


では、なぜ湿度の高い8月にこれほど多くの火災が起きるのでしょうか?
その原因は、夏の気候に深く関係しています。

 

1. 電気機器・配線からの出火:「トラッキング現象」に注意!

実は、建物火災の出火原因には「電気設備」「電気機器」「受配電盤」「電気配線」といった、電気由来のものが多くランクインしています。

電気設備や製品を長く使っていると、プラグの抜き差し口などに自然とホコリがたまります。このホコリに、真夏の高い湿気が加わることで、電気の通り道ができてしまい(通電しやすくなり)火花が散って発火することがあります。これが「トラッキング現象」です。この火花の近くに可燃物があると、思わぬ火災につながる可能性があります。

【対策】

  • 定期的なメンテナンス(コラム参照)
  • コンセントやプラグは定期的に掃除し、ホコリがたまらないようにしましょう。
  • 使わない電気製品のプラグは抜いておきましょう。
  • たこ足配線は避け、延長コードやコード類に損傷がないか確認しましょう。

 

2. 有機溶剤による火災:工場・事業所での徹底した管理を

工場や工事現場で多く使われている有機溶剤は種類によって引火(液体が引火性の蒸気を発生する最低温度異なりますが一般的に揮発性空気と混合して一定の濃度になると火しやすくなります特に高温となる夏場は、揮発性が高まり、より引火のリスクが高まります。

【対策】

  • 有機溶剤を使用・保管する際は、換気を徹底しましょう。
  • 火気厳禁の表示を徹底し、火の気のない場所で使用・保管しましょう。
  • 静電気防止措置を講じるなど、取扱いに十分注意しましょう。

 

3. リチウムイオン電池の発火・爆発:急増する危険性

最近、メディアでも多く報道されているのが、電池の爆発・発火事故です。特に充電式の電動工具やスマートフォン、モバイルバッテリーなどに使われているリチウムイオン電池が原因の火災が急増しています。東京消防庁によると、リチウムイオン電池による火災は、直近10年でなんと9に増えているそうです。リチウムイオン電池は、高温環境や強い衝撃に弱く、過充電や過放電によって劣化しやすい特性があります。異常(膨張、発熱など)に気づいた場合には、すぐに使用を停止する必要があります。

【対策】

  • 高温になる場(直射日光の当たる場所、車内など)に放置しないでください。
  • 落としたり、ぶつけたりするなど、強い衝撃を与えないでください。
  • 少しでも感じたらすぐに使用を中止し自治体の指示に従って適切に廃棄しましょう。

 

4. 収斂(しゅうれん)火災:太陽光の思わぬ落とし穴

「収斂火災」とは、太陽光がレンズや鏡、水の入ったペットボトルなどの物体によって一点に集められ、その熱で近くの可燃物が発火する火災です。夏は晴天の日が多く、日差しが強いため、このリスクが高まります。

【対策】

  • 窓際や直射日光が当たる場所に、水の入ったペットボトルや透明な球状物体 鏡などを置かないようにしましょう。

 

 

最後に:猛暑日の火災と防災意識の強化

先日、猛暑日の火災消火活動にあたっていた消防士が熱中症で病院に緊急搬送されたという報道がありました。夏場の火災は、消火活動を行う方々にも過酷な状況を強いることになります。

私たち一人ひとりが夏の火災原因を理解し、適切な予防策を講じることが、大切な命と財産、そして地域の安全を守ることにつながります。

この夏も、安心して過ごせるよう、今一度、火の元にご注意ください。

コラム:
受配電設備メンテナンス

受配電盤に溜まったホコリや汚れ、機械設備に付着した油汚れを定期的に除去することで火災を減らすことが可能です。

ベルフォアではこれまでの豊富な災害復旧経験を活かした事故の予防保全としてのメンテナンスを行っています。機器部品はもとより、内部の電子部品や基板の洗浄を行い、事故や故障のリスクを低減することが可能です。

是非、メンテナンスにもベルフォアの活用をご検討ください。

 

 

注:弊社サービスは早期復旧を目的としたものです。保険での補償は保険会社の個別の判断となります。

あらゆる災害に対する専門知識

私たちは、災害後にお客様が直面される難題を理解しています。

専任チームが、お客様一人ひとりに合わせた最適なサポートを常に提供します。